Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

Leggi 街はふるさと (まちはふるさと) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 193.435 caratteri · 389 schermate

Aozora Bunko

地獄の門は、とッくに通りこしていたんだっけな。こんどくぐる門、どこの門」

ルミ子の目が光った。

七

「あんた、梶せつ子さんの旦那さんなの」

まずルミ子は問いただした。

男を送りだしたままのフトンが敷きっ放してある。青木は服のままその上へひッくりかえって、頭をかかえて、

「え? なに? 君、異様な質問を発したようだね。なんだって?」

「アンタノオクサン、カジ・セツコ!」

ルミ子は節をつけた。

「君よ知るや梶せつ子」

青木も唄の文句で起き上って、

「え? なぜ知ってるの。梶せつ子を」

「あんたの方が変だわね。梶せつ子にナイショ、ナイショって、なんのことなの。それがハッキリしなければ、この門は通行止め」

「ハッハ。はからざりけり。とんだシャレだったね。しかし、ぼくはシャレたわけじゃなかったのさ。ぼくのくぐったのは、地獄の門。こんどくぐる門、どこの門。地獄の次の門てのがあるのだろうかと悲しくって呟いたんだが、地獄の次の門てのは、ここのうちに在ったのかね」

「ここすぎて悲しみの門か」

「え? 君はダンテを読んだの」

「喫茶店の広告文さ。門という店のね」

「なるほど。