Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
スペインのこい
西班牙の恋
国枝 史郎
Leggi 西班牙の恋 (スペインのこい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.387 caratteri · 49 schermate
間も無く、検事に、予審判事に、警視が二人に巡査が四人に、それから刑事と警察医とが自動車で駈けつけて下さいまして、現場の臨検に取り掛かられました。何より先に兄の屍骸をお調べになったのでございます。何処にも傷は無いのでした。弾傷も太刀傷も注射の痕も。
「酷く心臓を侵されています。たしかに致命傷は是でしょう……しかし何うして斯う急に心臓を侵されたものだろう」
警察医は小首を傾げました。
「毒でも飲みはしないかね?」一人の警視が訊きました。
「解剖しなければ確かの所は申し上げ兼ねるように思いますが、外見には毒を飲んだ痕跡など何処にも残っては居りません」
「心臓麻痺とでも云うやつかな?」
「さあ」と検医は復考え「心臓麻痺に致しますと、少しく徴候が変ですな……」
それから皆は室の中を隅から隅まで調べました、格闘したらしい形跡など何処にも些少ございませんでした。
すると検事が窓硝子の破れた所を指差し乍ら、私にこのように訊きました。
「是は以前からでございますか?」
「いいえ」と私は答えました「昨夜までは破壊れては居りませんでした」
「ははあ」と検事は頷き乍ら「それではお嬢さん、お宅では、夜も此様に窓掛も閉めず、鎧戸も卸さないのでございますか?」