Classici giapponesi con furigana
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ふくめんのぶとうしゃ
覆面の舞踏者
江戸川 乱歩
Leggi 覆面の舞踏者 (ふくめんのぶとうしゃ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.827 caratteri · 30 schermate
彼等の変装は、正体をくらます点に於て極めて巧みではありましたけれど、皆、余りに地味な、或は余りに粗暴な、仮装舞踏会という名称にはふさわしからぬものばかりでした。それに、婦人達の妙に物おじをした様子で、なよなよと歩く風情は、あの活溌な西洋女の様子とは、似ても似つかぬものでありました。
正面の大時計を見ますと、もはや指定の時間も過ぎ、会員だけの人数も揃いました。この中に井上次郎のいない筈はないのだがと、私はもう一度目を見はって、一人一人の異様な姿を調べてゆきました。ところが、やっぱり、疑わしいのは二三見当りましたけれど、これが井上だと云い切ることのできる姿はないのです。荒い碁盤縞の服を着て、同じハンチングをつけた男の肩の恰好が、それらしくも見えます。又、赤黒い色の支那服を着て、支那の帽子をかむり、態と長い辮髪を垂れた男が、どうやら井上らしくも見えます。そうかと思うと、ピッタリ身についた黒の肉襦袢を着て、黒絹で頭を包んだ男の歩きっぷりが、あの男らしくも思われるのです。
朧なる部屋の様子が影響したのでもありましょう。或は又、先にも云った通り、彼等の変装が揃いも揃って巧妙を極めていたからでもありましょう。