Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

きく

親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選

山川 方夫

Leggi 親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 (きく) di 山川 方夫 (やまかわまさお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 67.486 caratteri · 144 schermate

Aozora Bunko

あまりにも小さな彼女をみつめながら、彼は、ときどきどうにもならぬ欲望のとりこになり、狂ったようにシャワーを浴びたり、ベッドを撲りつけたりした。5センチの彼女はあいかわらず魅惑的で、やさしかった。もしサイズさえあったら、きっと妻になってくれるだろう。なんとかして自分を小人に、または彼女を自分と同じ大きさの人間に、つまり二人の体格が合うようにできるものだったら、彼はきっとなんでも捨てただろう。……

欲望に燃えたつからだに、刃物のように鋭い風がかえってひどく快かった。季節はすでに冬に入り、いつのまにか、十二月の終りちかくになってしまっていた。

彼はまたアパートの手すりにもたれていた。木枯しが夕暮れの街をはしり、胡麻粒のように見える人も、みんな外套の襟を立てて、うつむきがちな速足で歩いていた。彼はぼんやりとそれを見下ろし、その日の朝刊の見出しをけんめいに思い出そうとしていた。沸るような欲望を抑えつけるときの、それは彼のいつものお咒いだった。

「……月が出たわね」

気がつくと、煤けたような夕暮の色のスーツを着た彼女が、手すりの金棒に腰を下ろしていた。

「オレンジ色なのね。