Classici giapponesi con furigana
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おやかたコブセ
親方コブセ
金 史良
Leggi 親方コブセ (おやかたコブセ) di 金 史良 (きむさりゃん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8006 caratteri · 16 schermate
私達は入口からみんな首を長く伸して、詰所の方を覗いてみた。姿は見えないがひどく詰られながら、頬桁でも二つ三つ張り飛ばされているらしい。間もなく許されて出るや、彼は息せき切って飛んで来ながら叫んだ。「おい、誰かタオル持ってねえか。金海の奴、タオルがねえから行かねえと云い出したんだよ。おっとと、手前達もうマラソン済んだのかえ? 李山は? 李山! あいつがマラソンで取ってくれると約束したそうだが……」
「親方! 李山が今通りおるよ!」
それで見ると三十五六にみえる背高い男が一人、口にタオルを喰えふらふらと通りかかっていた。彼はこちらで手を振りながら叫ぶのに気が付くや、よろめきながら駆けて来た。親方コブセはいきなり飛び出して、そ奴の口からタオルをぎ取るが早いか、前後見境なく再び中の方へだーっと突入して行った。丁度いい塩梅に、守衛は安心して詰所に引込んでいるところだった。白いタオルが手元でひらひら靡き、跛足がせわしげに上下しながら、だだっ広い構内を駆けて行く。まるで必死になって走る横這いの蟹のように。――
――どこからかぼーが聞えて来た。