Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Leggi 親鳥子鳥 (おやどりことり) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.828 caratteri · 181 schermate

Aozora Bunko

これなら親類にいくらもあるだろう?」

「旦那はお口が悪いなあ。そんなものは皮膚病院じゃないって叩き出されますぜ」

「叩き出せば尚お結構さ。大きな声で呶鳴らせる。人立ちがして近所界隈の評判にならあ」

「はてな」

「何うした?」

「然う言えば先方じゃもうやっていやしないかな。昨日は禿頭病の激いのが一人来ましたよ」

と親方は僕達の方を向いて舌を出した。お客さんは目を閉じていたから冗談とは気がつかず、

「無論断ったろうね?」

と釣り込まれた。

「いや、顔を当って後で見つけたんです」

「厭やだぜ厭やだぜ」

「矢っ張り旦那のこの椅子に坐りましたよ」

「驚かすなよ」

「ハッハハハハハ」

「しかし油断はならないぜ。此方も此方なら、彼方も彼方だろう」

「そこですよ。妙な宣伝をしやがるから癪に障る。俺が大地震の時に人を殺したなんて、途方もないことを言い触らしたのも彼奴の仕業ですぜ」

「ふうむ。何ういう経緯だね? 矢っ張り例の自警団のが露れたのかい?」

「冗談仰有っちゃ困りますよ。人が本気にするじゃありませんか?」

「真剣の話、何うしたんだい?」

「斯うやってお客さまの喉の辺を当っているところへグイッと地面が持ち上ったんで、剃刀が一寸も入って即死したと言うんです」