Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Leggi 親鳥子鳥 (おやどりことり) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.828 caratteri · 181 schermate

Aozora Bunko

「いいえ、自分で然う言ったんですよ。厭やになると直ぐ何とか理窟をつけます」

「銀行の方は何故おやめになったの?」

「金網の中に入っているのは動物園のようで性に合わないんですって」

「まあ。それで今度は学校へお出になるんですね?」

「ええ」

「源太郎さんとは従兄弟同志ね?」

と絹子さんは差当り訊くことがなくなったものだから、分り切った質問で話を繋ごうと努めた。

「ええ。子供の時から能く知っているんです」

「あの方今まで何か悪い評判はなかったこと?」

「落第ですか?」

「いいえ、外のことで」

「カンニング?」

「違うわよ」

「ああ分った。お金を使ったかと仰有るんでしょう?」

「まあその辺よ」

「人格は保証します」

と僕は断言した。

「時々お見えになりますの?」

「卒業してからは滅多にお出になりません」

「慶応大学ですってね?」

「ええ、今度洋行して教授になるんですから、大喜びです」

「いつ洋行なさるの?」

「二三年の中だと言っていました」

「博士になるんでしょうね?」

「なりますとも。お気に召しましたか?」

「あらまあ、厭やな源太郎さん!」

「僕、知っていますよ」

「何を?」

「何をって」

「子供がそんなことを仰有るものじゃありませんよ」