Classici giapponesi con furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Leggi 親鳥子鳥 (おやどりことり) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.828 caratteri · 181 schermate
「しかし田舎へ行っちゃ詰まらないよ」
「それでさ」
「ラジオの聞えないところへ行くと時勢に後れる。石に食いついても一高さ」
と僕は決心丈けは堅い。
「同感同感!」
とこの時太いステッキをついた破れ服日和下駄の一高生が後ろから弥次った。この男は何ういう料簡か、先刻から受験者の並んでいるところを頻りに彼方此方と歩いていた。恐らく後進激励の積りだったろうが、僕達は気味が悪くなって、急いで停留場へ向った。
僕はもう観察修行は犠牲にして、側目もふらず受験準備に没頭し始めた。不思議なもので、勉強していると入れるような心持がする。怠けていると駄目なような気分になる。しかし二三日して絹子さんのお父さんが予定通り絹子さんを迎えに着京することになったので少し息を抜いた。
「源太郎や、お前気の毒だけれど、絹子さんと一緒に東京駅までお迎いに行っておくれ」
とお母さんが小声で仰有った。
「私一人で宜うございますよ」
と絹子さんは辞退したが、お父さんが出勤中だから、僕は代理を勤めなければならない。それに夏休みに遊びに行けば多大のお世話になる大伯父さんの惣領だ。
「何あに、構いませんよ」