Classici giapponesi con furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Leggi 親鳥子鳥 (おやどりことり) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.828 caratteri · 181 schermate
というような質問があった。
「動物園なんかへは入らないだろうね?」
とも訊いた。これは獅子や虎がいるからという意味だったろうが、僕は単に、
「無論あんなところへは入らない」
と答えて置いた。尚お昼間は隠れていて夜出て来るとか犬が好んで追っかけるとか聞いていたから、蝙蝠や猫の類を思い浮べたに相違ない。
「戸がこれっぽっち開いていても入って来るって言うんだもの」
と浩二はその折顔を赤らめて思い違いの説明をした。泥棒を知らなかったのを恥じさせる社会は呪われている。盗心ということを度外視すれば、何うしても人間業とは考えられない。想像は自然何か特に有害な動物の上に及ぶ。
「間違にしても意味深長だよ。聖賢の教訓を含んでいる」
と言って、お祖父さんは無論敬服した。斯くてお隣りへ入った泥棒は一物も得なかったが、浩二に梁上の君子の概念を与え、家のブル公の声価を四隣に高からしめた。
さて、そのブル公が今し喧しく吠え始めた。ブル公は人を見たら泥棒と思う。入魂でないものは念の為めに一応吠える。
「誰だろう?」
と僕は責任を感じて早速玄関へ出て見た。
「坊ちゃん坊ちゃん」
と謡曲の先生の杉山さんが門を少し開けたまま入り兼ねて浩二を呼んでいた。