Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Leggi 親鳥子鳥 (おやどりことり) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.828 caratteri · 181 schermate
しかし俺に言わせると人間の精神は四十で成熟する。孔子が不惑と言ったのは案外話せると思っている。俺はこれからだ。昨今殊に然う感じて元気旺盛を覚える。厄年だの初老だのと不景気なことを言ってケチをつけるな」
「安心しました」
と僕はお辞儀をする外なかった。こんな御機嫌の悪い時にはかかり合わないに限る。孔子さまさえ同僚扱いだから、うっかり口を出せば叱り飛ばされる。
ところがその翌晩のことだった。お父さんはいつになく茶の間の長火鉢の側に根が生えて頻りに煙草を喫っていたが、
「お鶴や、俺は大発見をしたよ」
と溜息をついた。
「何うなさいました?」
とお母さんは待ち構えていたように訊いた。
「左の耳が悪くなった」
「まあ? 痛みますの?」
「いや、何ともないが、能く聞えないんだ」
「お上せなすったんでございましょう? 耳鳴りが致しますの」
「いや、聴力丈けの問題らしい。先刻帰って来て二階へ上る時、梯子段の途中で時計を落したんだよ。しまったと思って左耳へ持って行くと果して止まっている。しかし電燈の下で検めたら動いていたから、今度は右の耳へ当てがうと、カチカチ聞えるじゃないか? それから幾度も試めして見たが、左の方は直ぐ側へ寄せなければ聞えない」