Classici giapponesi con furigana
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だれもしらぬ
誰も知らぬ
Leggi 誰も知らぬ (だれもしらぬ) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7123 caratteri · 14 schermate
でも、こんなに遅く私の家にまいりましたことは一度も無いのですし、それに、わざわざ私を、こっそり呼ぶというのは、いよいよ芹川さんのれいの問題が爆発したのにちがいない、とわくわくしてしまって、私のほうから、
「芹川さんは、このごろお見えになりませんのよ。」と何も聞かれぬさきに口走ってしまいました。
「お嬢さん、ご存じだったの?」と兄さんは一瞬けげんな顔をなさいました。
「いいえ。」
「そうですか。あいつ、いなくなったんです。ばかだなあ、文学なんて、ろくな事がない。お嬢さんも、まえから話だけはご存じなんでしょう?」
「ええ、それは、」声が喉にひっからまって困りました。「存じて居ります。」
「逃げて行きました。でも、たいていいどころがわかっているんです。お嬢さんには、あいつ、このごろ、何も言わなかったんですね?」
「ええ、このごろは私にも、とてもよそよそしくしていました。まあ、どうしたのでしょう。おあがりになりません? いろいろお伺いしたいのですけれど。」
「は、ありがとう。そうしても居られないのです。これから、すぐあいつを捜しに行かなければなりません。」見ると、兄さんは、ちゃんと背広を着て、トランクを携帯して居ります。