Classici giapponesi con furigana
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だれもしらぬ
誰も知らぬ
Leggi 誰も知らぬ (だれもしらぬ) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7123 caratteri · 14 schermate
たというのでしょうか、俗人の私にはわかりませんけれど、そんなことから、次第に直接に文通するようになり、女学校を卒業してからは、急速に芹川さんの気持もすすんで、何だか、ふたりで、きめてしまったのだそうです。先方は、横浜の船会社の御次男だとか、慶応の秀才で、末は立派な作家になるでしょうとか、いろいろ芹川さんから教えていただきましたけれど、私には、ひどく恐しい事みたいで、また、きたならしいような気さえ致しました。一方、芹川さんをねたましくて、胸が濁ってときめき致しましたが、努めて顔にあらわさず、いいお話ね、芹川さんしっかりおやりなさい、と申しましたら、芹川さんは敏感にむっとふくれて、あなたは意地悪ね、胸に短剣を秘めていらっしゃる、いつもあなたは、あたしを冷く軽蔑していらっしゃる、ダイヤナね、あなたは、といつになく強く私を攻めますので私も、ごめんなさい、軽蔑なんかしてやしないわ、冷く見えるのは私の損な性分ね、いつでも人から誤解されるの、私ほんとうは、あなたたちの事なんだか恐しいの、相手のおかたが、あんまり綺麗すぎるわ、あなたを、うらやんでいるのかも知れないのね、と思っていることをそのまま申し述べましたら、芹川さんも晴れ晴れと御機嫌を直して、そこなのよ、あたし、家の兄さんにだけは、このことを打ち明けてあるのだけれど