Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たににうたうおんな

谷にうたう女

小川 未明

Leggi 谷にうたう女 (たににうたうおんな) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3202 caratteri · 7 schermate

Aozora Bunko

うぐいすは林に鳴いて、がけの上には、らんの花が香っていました。

気の狂ったおきぬは、その後、すこしおちついたけれど、もうこの村には用のない人とされて、山一つ越した、あちらの漁村の実家へ帰ってしまったそうです。

「お嬢さま、せっかくおつれもうして、あの女のうたう子守唄をおきかせすることができません。」と、おかよは、なげきました。それをききたいばかりに、わざわざここまで旅行をしたお嬢さまの失望を思ったからです。

しかし、お嬢さまは、都にいらしたときのように、ここへきても笑っていらっしゃいました。

「だけど、いいわ。ここへやってきたかいがあってよ。山も谷も、私が、夢で見たよりか美しいんですもの。」

このとき、谷で鳴くうぐいすの声が、かすかにきこえてきました。そして、がけの上では、らんの花が咲いて、今朝から、金色の羽を輝かしながら、小さなはちが、幾たびもそのまわりを飛んでいたのでした。

「まだ、あちらの山には、雪が光っていること。」と、おかよが、ぼんやりと、その方に見とれていたときでした。

「ねんねん、ころころ、ねんねしな――。」

彼女は、たちまち谷に起こる、きき覚えのある、おきぬの声をきいたので、びっくりしたのです。