Classici giapponesi con furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Leggi 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.569 caratteri · 336 schermate
エキモスはがっかりしました。けれども力をおとしませんでした。次の節でまた笛をこしらえました。がそれもなりませんでした。
三つ、四つ、五つ……いくら笛をこしらえても、どれ一つとしてなるものはありませんでした。けれど、笛がならなければならないほど、エキモスはなお一生けんめいに、笛をつくりました。今にすばらしいのができる、とそんな気がしました。
とうとうさいごの一節になりました。それでだめだったら、もうまっ白なめずらしい葦もなくなってしまうのです。
「おう、神さま!」
とエキモスはさけびました。あらんかぎりの心をこめて、さいごの笛をこしらえました。そしてこわごわ、ふいてみますと……。
エキモスはおどり上がりました。うれしさに涙ぐみました。なります、なります。なんともたとえようのない美しい音がします。
エキモスは涙をながしながら、銀色に光るその葦笛をながめました。そしてまた口にあてました。ふきならしました。なんという美しい音でしょう。小鳥のさえずりにもまけません。
エキモスは笛をうちふりながら、野原のなかをかけまわりました。それから森のはずれの木かげにねころびました。