Classici giapponesi con furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Leggi 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.569 caratteri · 336 schermate
鹿は走るように早く歩きだしました。
うちひらけたところにでたり、森にはいったり、坂をのぼったり、谷川をわたったりしました。どれくらいきたのかわかりませんが、山ふかいところで、ふいに、谷川のそばの平地にでました。やわらかな草がいちめんにはえて、何ともいえぬよい香りの花がさいています。そしてたくさんの鹿がでむかえています。
その平地のおくの、崖の下のところに、エキモスは鹿の背からおろされました。
みると、すぐそこの、草の上に、あの金色の鹿がよこたわっていました。エキモスは声をたててかけよりました。
金色の鹿は、そこによこたわったまま、身うごきも出来ませんでした。とぎれとぎれに、かすかな息をして、じっとエキモスの方をみているだけでした。しらべてみますと、肩のあたりから血が流れています。鉄砲でうたれたらしいんです。もうてあてのしようもありません。死にかけているんです。
エキモスはかなしさに涙ぐんで、そのそばにすわって、膝のうえに頭をのせてやりました。鹿はうれしそうに眼をつぶりました。エキモスは、その獅子のようにながいたてがみをなでてやりました。それから白い葦笛をとりだして、さいごのわかれにふいてきかせました。