Classici giapponesi con furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Leggi 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.569 caratteri · 336 schermate
そしてこんどは、少し長い旅らしいから、おるすにならない前に、早くお詣りをしておくがよかろう。
そのうわさといっしょに、また、近くや遠くからお詣いりに来る人がふえました。
「いよいよ用心しなければいけないよ」と、長彦はいいました。
「ええ、充分に気をつけます」と、丸彦は答えました。
四
さて、堅田の顔丸の丸彦は、腰に刀をさし、片手に、鉄づくりの鞭をたずさえ、片手には、たのしい法螺の貝をもって、毎日、出あるきました。そして、怪しい者でもうろついてはいないかと、しらべてあるきました。
しかし、悪者の手がかりさえ得られませんでしたし、第一、観音様についてのふしぎなうわさも、どこから出たものやらさっぱりわかりませんでした。
ところが、ある日のことです。山奥の方をしらべあるいて、そして夕方になってから帰りますと、山の裾のさびしい野原に、馬をつれた男が、ひとりで酒をのんでいました。
その男は、背中にけものの毛皮をつけ、足にわらじをはき、腰に大きな山刀をさして、猟師のようにも見えましたが、なんだか、ひと癖ありげなようすでした。
それが、草の上にあぐらをかいて、徳利と茶碗を前において、酒をのんでいるのです。