Classici giapponesi con furigana
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
Leggi 負けない男 (まけないおとこ) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 98.799 caratteri · 202 schermate
「それは大いにある」
「僕は元来会社勤めには向かないかとも思います」
「向かないね」
「矢張り然ういう御判定ですか?」
「少くとも平社員には向かない」
「はゝあ」
「重役なら勤まるよ」
「何ういう意味でしょう?」
「重役の勤まらない人間はない。しかし平社員は大抵の人間に勤まり兼ねる」
「分りました。向く向かないを考えるようじゃいけません」
と堀尾君は先を越して警戒した。
「いや、初めから向いた方へ行ければ一番結構だよ」
「しかし何に向いているのか分らないんです」
「君は何にでも向く」
「そんなことはありません」
「小言の言いっ放しじゃ気の毒だから、一つ相談に乗ろう。希望を述べて見給え」
「これって註文はないんです。今度は料簡を入れ替えて何でもやります」
「学校の教師は何うだね?」
「迚も駄目でしょう、法科ですから」
「いや、高等学校で法律を教えるんだ。この方なら、今直ぐってことはむずかしいが、我輩、責任を負って心掛ける」
「何うも先生って柄じゃありません」
「進まないかい?」
「はあ。その任でないと思います」
「うまく蹴ったね。矢っ張り会社か?」
「他に使い道がないんです」
「会社が宜いなら、官吏だって同じことだろう?」