Classici giapponesi con furigana
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
Leggi 負けない男 (まけないおとこ) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 98.799 caratteri · 202 schermate
「いつ頃ですか?」
「未だ分りませんが、序ですから、兄は姉に東京見物をさせるんですって」
「それじゃ早目に出て来るかも知れませんね」
「えゝ。未だ新婚旅行の積りよ」
「これは僕の方もうっかりしちゃいられません」
「呑気ね、あなたは」
「万事清水君に委せてあるんですけれど、早速今度の日曜に郷里へ行って来ます」
と堀尾君は急き立てられるような心持になった。
社の方は相変らず折合が好い。三輪君と芳野君が相談相手になってくれる。他の連中とも馴染んで来た。
「堀尾君、追々月末が近づくね」
と三輪君が遠慮なく冷かす。
「うむ」
と堀尾君は多くを語らない。但し手の空いている時は道子さんに頭の細胞を独占されている。或日、三輪君が、
「堀尾君、思い出し笑いって奴は罪が深いそうだぜ」
と問題にした。
「何も笑っちゃいないよ」
「性がないんだね」
「仕方がない。こゝ当分だ」
「こゝ当分が待ち遠いってんだろう?」
「何とでも言い給え」
「猜め/\か? ハッハヽヽ」
「可哀そうに、又やられているんだね」
と芳野君が後ろから向き直った。
「仕方がないんだよ」
と堀尾君は訴えた。
「この男の口にかゝっちゃ敵わない。