Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まけないおとこ

負けない男

佐々木 邦

Leggi 負けない男 (まけないおとこ) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 98.799 caratteri · 202 schermate

Aozora Bunko

と出ていた。劈頭第一だったから、直ぐ目についた。堀尾君は、

「覿面だな」

と思って、擽ったいような心持がした。しかし次に学生の帰省が六七名麗々しく並んでいたので、

「相変らずだな」

と微笑んだ。田舎の新聞は目の細い網だ。時には中学生まで掬い上げる。

△陸軍大尉篠崎一造氏 病気にて途中下車、駅前小花屋に投宿加養中。

△加茂村助役須藤儀右衛門氏 令息の結婚にて昨日東上。

△三井物産会社員岩崎悌四郎氏 関西出張帰東の途次昨夜馬橋村へ帰省。

「おや/\、悌四郎君が来ているのか?」

と堀尾君は覚えず呟いた。

「早いね」

とそこへ、兄さんの玉男さんが現れた。

「お早う」

と堀尾君は新聞を手から放した。

「草臥れたろう? 晩くまで話して」

「いや、一向」

「彼方へお出。ソロ/\御飯の支度が出来る」

と玉男さんは迎いに来たのだった。

「久しぶりで帰って来ると、田舎も悪くない」

と正晴君は立って庭を眺めた。堀尾家は村一番のお大尽だ。好い庭を持っている。

「悪くて何うするだ?」

とその惣領の玉男さんは徹頭徹尾田舎に満足している。

「松が一本枯れかゝっているね?」

「何れ?」

「あれさ」

「成程」

「始終見ていると気がつかないんだね」