Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まけないおとこ

負けない男

佐々木 邦

Leggi 負けない男 (まけないおとこ) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 98.799 caratteri · 202 schermate

Aozora Bunko

五尺七寸、眉目秀麗、申分ないお婿さんだ。

家長が斯う打ち解けた態度を取ってくれるので、正晴君は家の人同様に寛いだ。道子さんの予想通り、奥田君は帰郷早々で兎角忙しい。相思の二人は全く水入らずに語り合う機会があった。一週間が時の間に過ぎた。八日目の午後、海を見晴らす二階の縁側で籐椅子に凭れていた時、

「堀尾さん」

と道子さんが見返った。

「何ですか?」

と正晴君は待っていた。

「東京へお帰りになったら、矢っ張り麹町へ来て下さる?」

「上りますよ」

「しかし兄さんがいる時ほど度々お出になれませんわね」

「それは仕方がないです」

「詰まらないわ」

「しかし御無沙汰にならない程度で伺いますよ」

「月に一遍?」

「まあその辺でしょうね」

「詰まらないわ」

と道子さんは再び鼻を鳴らした。

「仕方がないです」

「あるわ」

「はあ?」

「仕方があるわ」

「何ういう意味ですか?」

「お分りにならない?」

「さあ」

「早く口をお探しになれば宜いじゃありませんか?」

「それは帰ったら直ぐに探します」

「下宿? 今度も」

「いゝえ、一軒持ちたいと思っています」

「その方が宜いわ」

「これも帰って直ぐに探します」

「何の方面?」