Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まけないおとこ

負けない男

佐々木 邦

Leggi 負けない男 (まけないおとこ) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 98.799 caratteri · 202 schermate

Aozora Bunko

お婿さん、堂々たる邸宅に納まっていた。刺を通じると、書院めいた広い客間へ案内されたが、可なり待たされた。

「やあ、待たせたろう?」

と間瀬君は態とやったのだった。

「文句は後のことにして、お芽出度う」

「有難う。君も定ったね。僕は披露式の時、君の姿を見かけて安心した」

「分ったのかい?」

「うむ」

「君は下ばかり向いていたから、気がつかないと思った」

「知っていたんだよ」

「何うだい? 新家庭は」

「操縦自在だよ。最初が大切だと思って、大いに権力を振っている」

「それは結構だ」

と堀尾君は祝した。

「妻を紹介しよう」

と間瀬君はあぐりさんを呼び出した。絶世の美人と聞いていたが、然うでもなかった。しかし高度の近視眼にはこれぐらいでも結構綺麗に見えるのだろうと堀尾君は結論した。美醜は主観の問題である。あぐりさんは道子さんの同級生だから、初対面にも拘らず、可なり話して引き退った。

「同級生同志が同級生を貰うなんてことは滅多になかろうね?」

と堀尾君は感じたまゝを述べた。

「奇遇さ」

「この間の汽車の中か?」

「君とは縁が深いんだ。ところで何うする?」

「何を?」

「道子さんを早く貰ってしまえよ」