Classici giapponesi con furigana
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まずしきひとびとのむれ
貧しき人々の群
宮本 百合子
Leggi 貧しき人々の群 (まずしきひとびとのむれ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 59.959 caratteri · 118 schermate
なる。彼等は、頭が痛いような思いをしながら、折々ゴクリ、ゴクリと喉を鳴らし合っていた。
子供等は年中腹を空かしている。腹が張るということを曾てちっとも知らない彼等は、明けても暮れても「食いたい食いたい」という欲にばっかり攻められて、食物のことになると、自分等の本性を失ってがつがつする。
今も彼等三人が三人、皆同じように「若し俺ら独りで、こんだけの薯が食えたらなあ」と思い、平常はいなければならない兄弟共も、こんなときには何という邪魔になることかと、しみじみと感じていたのである。それだもんで、いつの間にか鶏共が俵の破れから嘴(くちばし)を突込んで、常に親父から、一粒でももったいなくすると目が潰れるぞと、かたく戒められている米粒を、拾い食いしているのなどに、気の付こう筈はなかった。
鶏共と子供達とは、てんでに自分等の食物のことばかりに気を奪われていたのである。
ところへさっきから入口の所で、ジイッとこの様子を眺めていた野良犬が、何を思ったか、いきなり恐ろしい勢で礫(つぶて)のように、鶏の群へ躍り込んだ。
珍らしい米の味に現(うつつ)を抜かしていた鶏共は、この意外な敵の来襲に、どのくらい度胆を抜かれたことだろう! コケーッコッコッコッコッ、コケーッコッコッコッコッという耳を刺すような悲鳴。