Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひんみんくらぶ

貧民倶楽部

泉 鏡花

Leggi 貧民倶楽部 (ひんみんくらぶ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.333 caratteri · 111 schermate

Aozora Bunko

」

と急所を取って突廻せば、鉄蔵は虫の呼吸、「姉え、御免ねえ、苦、苦、放してくんねえてば、苦しい、むむ。」と苦みくを煙管の乱打、「死ぬる死ぬる。」と呻き叫ぶを殺しかねざる気色なり。

「お前非道いよ、まあお待ち。」とお丹の腕に縋りたるは今戸外より帰りし美人。

「いえ、お放しなさいまし、この大それた人非人。活かしちゃあおかれません。」「そう謂わずにさ、口でいっても解るではないかねえ。ようさ、私に預けておくれってば。」と身を楯にして、鉄を庇い、宥めても制めても頭を掉って肯ぜず、「よう、頼むよ。後生だから。」と心弱き美人は声曇らすに、お丹ようやく手を弛べ、衝と座に直りて煙管を杖、片手に煙草を引寄せたり。

美人は鉄を労りて、「お前、何悪いことをしやったえ。お丹はあの通り気短だから恐怖いよ。私が詫をしてあげる。」

と抱起さんとすれば、鉄蔵慌てて身を起し、「ええ、勿体ねえ。お前様、私の身体は汚れておりやす。」

「まあ眉間から血が出て。」と懐紙にて押拭う、優しさと深切が骨身に浸みこむ、鉄はぶるぶる。「もう、可うございます。いえもう何ともありません。」と後退。

幅狭き布子の上掻を引張り合せて、膝小僧を押包み、煮染めたような手拭にて、汗を拭き拭き畏り、手をつきて美人の顔、じっと見詰むる眼に涙。