Classici giapponesi con furigana
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かこうとしょうり
賈后と小吏
田中 貢太郎
Leggi 賈后と小吏 (かこうとしょうり) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4751 caratteri · 10 schermate
「お前、もう飽いたならあっちへ往こう」
「は」
青年が起つと仙妃も起って、そのまま青年を伴れて往った。侍女達は手に手に綺麗な燈を持って案内した。そこは珍しい織物を張り詰めた狭い室で、翠の帳の中には紅い花のような榻があった。そこへ往くと仙妃が言った。
「私はお前と宿縁があったから、お前を召んだ、良夜易闌、可即帰寝」
小吏不敢辞、遂侍仙妃枕席。とろとろと燃える燈の光は仙妃の左か右かの眉尻にある小さな疵痕を見せた。青年は幸福に浸りながらその疵痕に眼をやった。
朝になると仙妃は、
「お前をいつまでもここにおきたいが、そんなことをしては、天の咎めがある」
と、言って傍の箱から衣裳を取り出してそれを青年の前において、
「これを記念にあげる、私と思って持って往くように、そのうちに召びよせるから」
青年は仙宮を出てまた元の貧しい盗尉部の小吏になるのが厭であったが、そのままいることもできないのでその衣裳をもらって帰ることにすると、仙妃はかの老嫗を呼んで言いつけた。
「この方をお送りするが良い」
そこで老嫗はもじもじしている青年を伴れて外へ出、昨日の処へ往くともう前日と同じような車が待っていた。