Classici giapponesi con furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.351 caratteri · 43 schermate
などと云っていたが、母親のおらくは藤吉を信じて、自分から亭主や娘をくどいた。それで大吉は折れたが、一人娘だから嫁にはやれない、婿に来るなら承知しよう、という条件を出した。
そこまではこぶのに五日ばかりかかった。婿と聞いて、さすがに猪之も考えこんだが、すぐ意を決したといった顔つきで、婿でもいい、と云いきった。
――よく考えてみろ、猪之、おめえはまだこれからっていうからだだぞ、いちにんまえの職人になるつもりなら、これからが腕のみがきどきだ、ここで二た親付きのかみさんなんぞ背負いこんだら、一生うだつがあがらなくなるぞ。
――このおれがかい、へっ。
猪之はそう云って、肩を揺りあげただけであった。藤吉はその縁談をまとめた。
――祝言はいつにするつもりだ。
話がまとまったのでそう訊くと、猪之はそうせかせるなと答えた。話はきまったんだから、いそぐこたあねえさ。しかし、と藤吉は云った。向うだって都合があるだろうし、およその日取を知らせるのはおれの役目だ、どうする。そうさなと猪之は首をひねった。そうさな、それなら秋ということにでもしておくか。秋だって。うん、おれにだって都合はあるからな、と猪之は云った。