Classici giapponesi con furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.351 caratteri · 43 schermate
「吉つぁんに頼んだんです」と猪之は唇で笑った、「貴方もまえには、よく酒を買わせたそうじゃありませんか」
登は眼をそむけた、「おれは腹がへってるんだ」
「鮨もありますぜ」と猪之が云った、「まあ来て下さい、じつはちょっと話したいこともあるんだから」
登は彼の部屋へいった。
久しく来なかったが、部屋の中はきちんと片づき、掃除もゆき届いて、気持のいいほどきれいになっていた。
膳の上には定まった食事のほかに、折詰の鮨があり、脇には五合徳利が置いてあった。もちろん燗はできない、冷やのまま飲み始めていたらしく、猪之は坐るとすぐに、湯呑に残った酒を飲んで、それを登に差した。おれはだめだ、と登は手を振り、話というのを聞こう、と云った。
「じゃあ、もうちっと飲まして下さい」と猪之は云った、「もう少し酔わねえと、ちょっと云いにくい話なんだから」
登は静かに云った、「お杉のことか」
「うっ」と云って猪之は登を見た、「知ってらっしゃるんですか」
「詳しいことは知らないが、見当はつくよ」
「へえー驚いたな、そうですか、そんならもうかしこまるには及ばねえ、云っちまいましょう」猪之は湯呑に酒を注ぎ、それを両手で持ってまともに登を見た、「まず、あっしを当分ここに置いてもらいたいんだが、どうでしょうか」