Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.626 caratteri · 45 schermate

Aozora Bunko

そのとき一人の女が通りかかって、露骨ないろ眼をつかいながら登に会釈した。年は二十八九だろう、肥えて肩幅が広く、胴がくびれておらず、広い肩幅がそのまま大きな腰へ続いている。頬骨の張り出た平べったい大きな顔には、いやらしいほど、厚化粧がしてあり、赤茶けた少ない髪で結った髷も、安油でびたびた光っていた。

「保本先生って仰しゃるんですってね」と女はどきっとするほど太い、しゃがれた声で話しかけた、「あたし向う長屋の端にいるおきぬという者ですが、このごろ頭痛が続いてどうしようもありませんの、おついでのときいちど来て診て下さらないでしょうか」

登は黙って頷き、すぐに五郎吉の家へはいってしまった。その帰りに差配へ寄ると、卯兵衛の女房のおたつが、あの女はいけません、と首を振った。

「まったくとんでもねえあまです」と卯兵衛も側から云った、「こつ(千住の遊廓)で年期いっぱい勤めあげたという古狐で、知らねえもんだから店も貸したんですが、あいつのおかげで四月からこっち、長屋内にいざこざの絶えたことがねえ、まったく始末におえねえあまです」

「名はおきぬというそうだな」

「まったく」