Classici giapponesi con furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.146 caratteri · 40 schermate
「そうじゃありません」おえいは強くかぶりを振った、「躯さえ満足なら、ばかなような女を却って珍らしがって、買いに来る客があるんだっていうことです」
登はちょっと黙っていて、「ひどいもんだな」と云った、「そんな客がいるということはひどいもんだ、そういう人間こそ、もう毀れちまった車というやつだろうな」
「あたい、子を産ましてもらえるでしょうか」
「念には及ばないさ」と云って、登はおえいをためすような眼で見た、「だが、相手の男はどうなんだ」
「どうって、なにがですか」
「おまえは亭主を持たないと云ったが、おなかの子には男親があるんだろう」
おえいはにっと微笑した、「そのことなら心配はありません、子供ができたと云ったら、それっきり姿をみせなくなりました」
「店の者ではなかったのか」
「どうですかね」とおえいはあいまいに、そして狡そうに首を振った、「あたいはただ子供が欲しかったんです、ばかで子持ちなら、おっ母さんも諦めるでしょうし、これからも手を出すような男はないでしょう、――自分一人では長い一生をやってゆけないかもしれませんが、子供があれば苦労のしがいもありますからね、それでただ子供が一人欲しかっただけなんです、相手の男なんてどんな顔だったかも忘れてしまいました」