Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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せきがいせんおとこ

赤外線男

海野 十三

Leggi 赤外線男 (せきがいせんおとこ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.889 caratteri · 78 schermate

Aozora Bunko

口には猿轡を噛ませられ、手は後に縛られ、立ち上ることも出来ない有様です。下を見ると、これはどうでしょう。奇々怪々な光景が悪夢のように眼に映ります。実験戸棚の扉が、風にあおられたように、パターンと開く、すると棚に並べてあった沢山の原書が生き物のようにポーンポンと飛び出してきては、床の上に落ちる。引出しが一つ一つ、ヒョコヒョコ脱け出して飛行機の操縦のようなことをすると、中に入っていた洋紙や薬品の小壜などが、花火のように空中に乱舞する。いやその化物屋敷のような物凄い光景は、正視するのが恐ろしく、思わず眼を閉じて、日頃唱えたこともなかったお念仏を口誦んだほどでした」

理学士は、そこで一座の顔を見廻わしたが、憐愍を求めるように見えた。

「それから、どうしたです」課長は尚も先を促した。

「それからです。室内の騒ぎが少し静まると、こんどは、壊れた戸口がガタガタと鳴りました。何だか廊下に跫音がして、それが遠のいてゆくように聞えました。すると間もなく、向うの方で大きな響がしはじめました。掛矢でもって扉を叩き割るような恐ろしい物音です。それは今から考えてみますと、どうも事務室の入口のように思われました。