Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
せきがいせんおとこ
赤外線男
海野 十三
Leggi 赤外線男 (せきがいせんおとこ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.889 caratteri · 78 schermate
「オイ隅田君、ちょっと待ち給え」司法係の熊岡という警官が席から立ち上って来た。
「はいッ」隅田乙吉は、手にしていた風呂敷包みを又卓子の上に置いて振りかえった。
「君はこんなものを知らんか」
警官は掌の上に、ヨーヨーを横に寝かしたような紙函を載せて、乙吉の方にさしだした。
「これは……?」乙吉の受取ったのは、よく鉱物の標本を入れるのに使う平べったい円形のボール函で、上が硝子になっていた。硝子の窓から内部を覗いてみると、底にはふくよかな脱脂綿の褥があって、その上に茶っぽい硝子屑のようなものが散らばっている。
「判らんかネ」と警官は再び尋ねた。「これはセルロイドの屑なんだ。そして燃え屑なんだがネ」
「どこに御座いましたのですか」
「これは、君が今引取ってゆこうという轢死婦人のハンドバッグの隅からゴミと一緒に拾い出したのだ」
「さあ、どうも見当がつきませんが……」
どうやら隅田乙吉は、本当に心当りがないらしかった。で、熊岡警官はそれ以上追究したり、また今とりつつある上官の処置に異議を挿もうという風でもなく、事実その問答はそこで終ったのであった。
隅田乙吉が屍体を守って中野の家へ帰ってゆくと、入れ違いに新聞社の一団が殺到して来た。