Classici giapponesi con furigana
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あかごうしくろうえもん
赤格子九郎右衛門
国枝 史郎
Leggi 赤格子九郎右衛門 (あかごうしくろうえもん) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.484 caratteri · 29 schermate
の一手でございます。少くとも左様やって呼吸を封じて、突立っている瞬間だけは、人間を変じて木石とも為し、又、鼠とも大蛇とも蛛蜘とも為ることが出来るのです。――封じた気息は遂には洩れる! その洩れる時が大切です。私は徐々と足を運んで扉の方へ参りました。そこに相手の居ないことは余りに明らかの事実です。ハッと切込んだ一転瞬に、ヒラリと体を変化させて、居所を眩すのが常道で、その常道の隙を狙って、逆に其方へ飛び込んで行くのが、忍術の奇道なのでございます。果して戸口には居ませんでした。そこで私は次の術――即ち、木遁の一手であって身を木の形に順応させ而てその木と同化させる所の所謂「木荒隠形」の秘法。それを使ったのでございます。易い言葉で申しますと、木目と同じような姿勢を作り、樹木と同じ心持ちとなる。――要するに是なのでございます。
七
私は実に此時まで、刀は抜かなかったのでござります。刀には刀の気息があって俗に刀気と申しますが、殺気と申しても宜敷でしょう。
でその刀気はある場合には、相手を威嚇する武器として非常に役立つのでございますが、又反対に或場合には身の禍ともなるのでした。