Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あかごうしくろうえもんのむすめ

赤格子九郎右衛門の娘

国枝 史郎

Leggi 赤格子九郎右衛門の娘 (あかごうしくろうえもんのむすめ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.174 caratteri · 33 schermate

Aozora Bunko

と云ってこれから川下は人家もない寂しい場所、女の身では恐ろしい」

――とたんに若い女の声で、

「あれッ」と云う声が聞こえてきた。

はっと驚いて声の来た方を、夜鷹はじっと隙かして見た。夜眼にも華やかな振袖姿、一人の娘が川下から脛もあらわに走って来たが、

「助けて!」と叫ぶ声と一緒に犇と夜鷹へ抱き付いた。それをその儘しかと抱き、

「見れば可愛らしいお娘御、こんな夜更けに何をしてこんな所においでなさんす」

「はい」と云ったがなお娘は、恐ろしさに魂も身に添わぬか、ガタガタ胴を顫わせながら、

「はい、妾は京橋の者、悪漢共に誘拐され、蘆の間に押し伏せられ手籠めに合おうとしましたのを、やっとのことで擦り抜けてそれこそ夢とも現とも、ここまで逃げて参りました。後から追って来ようもしれず、お助けなされて下さりませ」

「それはまアお気の毒な。いえいえ妾がこうやって一度お助けしたからは、例え悪漢が追って来ようと渡すものではござんせぬ。それはご安心なさりませ」

「はい有難う存じます」

こう娘は云ったものの、不思議そうに夜鷹を眺め、

「お見受けすればお前様もまだ若い娘御こんな夜更けに何をして?」