Classici giapponesi con furigana
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ちょうじんひげのはかせ
超人鬚野博士
夢野 久作
Leggi 超人鬚野博士 (ちょうじんひげのはかせ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 59.054 caratteri · 117 schermate
大臣の失業したみたいな吾輩が納まり返っているんだから、何の事はない一九三五年式大津絵だろう。
その一団を乗せた流線型セダンが音もなく辷り出すと、吾輩は急に睡くなってグーグーと居睡りを始めた。自分の鼾の音が時々ゴウゴウと聞こえる。女たちのクスクス笑う声を夢うつつに聞いている中に自動車がピッタリと止まったので、吾輩は慌てて女たちの膝を跨いで一番先に飛降りて扉をパタンと締めた。
「お前たちはこの中で暫く待ってろ。吾輩が談判の模様によって呼込んでやるから……」
と云い棄てるなりフラフラしながら玄関の石段を上った。待っていたらしい唖川家の家令だか三太夫だか人相の悪い禿頭が、吾輩の姿を見ると眼を剥き出して睨み付けた。睨み付けるのも無理はない。オリイブ色の声なんかどこを押したって出そうな面構えじゃない。たしかに人間が違っているに相違ないのだから……。
「貴方は……何ですか……」
「老伯爵閣下に会いに来た人間だ」
「……ナニ……」
と云うなり禿頭が腕をまくった。柔道の心得か何かあるらしい。吾輩の胸をドシンと突いたが、吾輩微動だにしなかった。向うに柔道の心得があればコッチにルンペンの心得がある。