Classici giapponesi con furigana
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ちょうじんひげのはかせ
超人鬚野博士
夢野 久作
Leggi 超人鬚野博士 (ちょうじんひげのはかせ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 59.054 caratteri · 117 schermate
ところでこのアパートへ這入ると別に看板をかけている訳ではないが、長い間の老舗の臭いがするらしく、犬の奴が安心すると見えてワンとも云わないでジッとしている。仔犬なんかだと、別れたお母さんの臭いでもするんだろう。クンクン啼出す事もあるが決して出て行こうとしないから安心だ。電車に乗っても発覚しない事が実験済みなんだから平気なもんだよ。
そんな訳で町から町をブラブラして手に入れた犬を大学や医学校へ持って行くと、博士の卵が待ちかねていて、一匹八十銭から二円五十銭ぐらいで買ってくれる。平均すると衛生学部が一番高価くて、生理や解剖が一番安いようだ。これは衛生学部だと狂犬病の実験に供して、高価い予防注射液を作る資本にするから、割に合うので、生理や解剖だと切積った研究費で博士になろうと思っている筍連中が、単なる使い棄てに使うつもりだからだろう。勿論、学生上りだからといったって馬鹿には出来ない。相当、足元を見る奴が居るので油断が成らないが、非道い奴になると吾輩を乞食扱いにして値切る奴が居る。
「オイ、鬚野先生。三十銭に負けとき給え、ドウセ無料で拾って来たんだろう」
そんな奴には、よく犬コロをタタキ附けてやったもんだ。