Classici giapponesi con furigana
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ちょうじんひげのはかせ
超人鬚野博士
夢野 久作
Leggi 超人鬚野博士 (ちょうじんひげのはかせ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 59.054 caratteri · 117 schermate
ちょっと忍び込んでみたくなる位である。多分、あの樫の木の闇がりが御自慢なのであろうが、混凝土を喰った証拠に混凝土の家を建てるのはドウカと思う。……なぞと詰まらない反感を起しながら門の前を通り過ぎようとしているところへ、その鬱蒼たる樫の木闇がりの奥から聞こえたのが今の呼声だ。
コンナ立派な家の中から、あんな綺麗な声で呼ばれるおぼえは無い。間違いではなかったかなと思っているところへ、門の中から花のような綺麗な、お嬢さんの姿があらわれた。
年の頃十八九の水々しい断髪令嬢だ。黒っぽい小浜縮緬の振袖をキリキリと着込んで、金と銀の色紙と短冊の模様を刺繍した緋羅紗の帯を乳の上からボンノクボの処へコックリと背負い上げて、切り立てのフェルト草履の爪先を七三に揃えている恰好は尋常の好みでない。眼鼻立が又ステキなもので、汽船会社か、ビール会社のポスター描きが発見したら二三遍ぐらいトンボ返りを打つだろう。
そいつがニッコリ笑うには笑ったが、よく見ると顔を真赤にして眼を潤ませている。まさか俺に惚れたんじゃあるまいが……と思わず自分の顔を撫でまわしてみたくらい、思いがけない美しい少女であった。