Classici giapponesi con furigana
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ちょうじんひげのはかせ
超人鬚野博士
夢野 久作
Leggi 超人鬚野博士 (ちょうじんひげのはかせ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 59.054 caratteri · 117 schermate
冠っている山高から、ボロ二重マント、穿いている長靴は勿論の事、その中に包まれている吾輩、鬚野房吉博士の剥身に到るまで一切合財が天下の廃物ならざるはなし。コンナ豪華な応接間の緞子と真綿で固めた安楽椅子の中に坐らせるのは勿体ないみたいなもんだが、しかし、その贅沢品の豪華版の中から生まれ出たような断髪の振袖令嬢が、その廃物ずくめのルンペンおやじに、大切な用があると仰言るんだから世の中は不思議なもんだ。一つ御免蒙って御神輿を卸してみよう。そうして銀のケースの中から葉巻を一本頂戴してみる事にしてみよう。
断髪令嬢が素早く卓上のライタを取上げて器用に火をつけてくれた。その物腰をみるとチョット珈琲店の女給さんみたいな気がして、手が握りたくなったが止した。
それから断髪令嬢は卓上のサモワルから馴れた手附で珈琲を入れて、吾輩にすすめてくれたが、その容器を見ると、ここが断然カフェーでない事を覚らせられた。そこいらにザラにある珈琲茶碗じゃない。舶来最極上の骨灰焼だ。底を覗いてみると孔雀型の刻印があるからには勿体なくもイギリスの古渡りじゃないか。一つ取落しても安月給取の身代ぐらいはワケなく潰れるシロモノだ。