Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ちょうかきんむ

超過勤務

山本 周五郎

Leggi 超過勤務 (ちょうかきんむ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.619 caratteri · 31 schermate

Aozora Bunko

ようであった。

「まあそうむきになるな」と彼は記帳に戻りながら云った、「こういうぐあいに辛抱したからこそ、今日まで無事にやって来られたんじゃないか、三十二で結婚するまで、女の手も握らなかった、無欠勤で、いつも残業をして、かりにも人に憎まれないように、できるだけ腰を低く、眼だたないようにつとめて来た、そしてもう五十五歳、この十一月には停年というところまで漕ぎつけたんだ」

彼の背後にあるデスク、つまり彼自身のデスクで電話のベルが鳴りだした。彼はペンを区切りのところまで動かしてから、ペンを持ったまま立ってゆき、その電話の受話器を取った。

「はあ、こちらはにほん屋百貨店の輸」とまで云って、彼の声が急に変わった、「――次郎じゃないか、いまじぶんなんだ、え、うん、まだ仕事が残ってるからいるよ、どこからかけてるんだ、え、なに、いまどこにいるんだときいてるんだよ、はい、はい、銀座だって、銀座のどこなんだ、きみ一人か、うん、いますよ、まだ一時間くらいはここにいるが、なに、うん、うん、だめですね、ノ・サンキューだ、僕がお金なんか持ってるわけがないじゃないか、毎日かあさんから僕が幾らもらっているか、次郎だって知っているだろう、だめですよ、だめ、それより早くうちへ帰んなさい、そんなところで、――おい次郎、もしもし