Classici giapponesi con furigana
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からだ
躯
徳田 秋声
Leggi 躯 (からだ) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6857 caratteri · 14 schermate
忘れもしねえ、暑い土用の最中に、餒じい腹かかえて、神田から鉄砲洲まで急ぎの客人を載せって、やれやれと思って棍棒を卸すてえとぐらぐらと目が眩って其処へ打倒れた。帰りはまた聿駄天走りだ。自分の辛いよりか、朝から三時過ぎまでお粥も啜らずに待っている嬶や子供が案じられてなんねえ。」
「兵隊にいっていた息子さんは、幾歳で亡くしましたね。」
上さんは高い声で訊いた。
「忰ですかね。」爺さんは調子を少し落して俛いた。
「二十三でしたよ。」
「戦地でかね。」と主が訊ねた。
「何に、戦地じゃねえがね。それでも戦地で死んだぐらいの待遇はしてくれましたよ。戦地へやらずに殺したのは惜しいもんだとかいうでね。自分の忰を賞めるのは可笑しうがすけれど、出来たにゃ出来た。入営中の勉強っていうものが大したもんで、尤も破格の昇進もしました。それがお前さん、動員令が下って、出発の準備が悉皆調った時分に、秋山大尉を助けるために河へ入って、死んじゃったような訳でね。」
「どうして?」
爺さんは濃い眉毛を動かしながら、「それはその秋山というのが○○大将の婿さんでね。この人がなかなか出来た人で、まだ少尉でいる時分に、○○大将のところへ出入していたものと見える。