Classici giapponesi con furigana
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
Leggi 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.469 caratteri · 157 schermate
そこが若い者のネウチで……。
しかも呼込まれる先々が大抵レコが留守だすケニ間違いの起り放題で、又、間違うてやりますと片身の約束の鯖が一本で売れたりします。おかげでレコも帰って来てから美味いものが喰えるという一挙両得になるワケで……。
それでも五六軒も大持てに持てて高価い魚がアラカタ片付く頃になりますと、もうヘトヘトになって、息が切れて、走ろうにも腰がフラ付きます。太陽様が黄色く見えて、生汗が背中を流れて、ツクツク魚売人の商売が情無うなります。何の因果でこげな人間に生れ付いたか知らん。孫子の代まで生物は売らせまいと思い思い空になった荷籠を担いで帰って来ます。
それでも若い中は有難いもので、その晩一寝入りしますと又、翌る朝は何とのう生魚を売りに行きとうなります。
バクチは親父が生きとる中は遣りませんでしたが、死ぬると一気に通夜の晩から初めまして、三年経たぬ中に身代をスッテンテレスコにして終いました。それを苦に病んで母親も死ぬる……というような事で、親不孝者の標本は私で御座います。ヘイ。
今では身寄タヨリが在りませぬので、イクラ働いても張合いが御座いまっせん。