Classici giapponesi con furigana
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
Leggi 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.469 caratteri · 157 schermate
気に入らない奴は片端からガミつける。処嫌わずタタキつける。評議の席などで酔っ払った奈良原到が、眼を据えて睨みまわすと、いい加減な調子のいい事を云っている有志連中は皆青くなって、座が白けてしまったという。そんな連中が奈良原の貧乏な事をよく知っていて、時世後れの廃物だとか、玄洋社の面よごしとか何とか、在る事無い事デマを飛ばして排斥したので、奈良原到は愈々不遇に陥ったものらしい。
しかし後年の奈良原到翁には、別にそんな連中を怨んだような語気はなかった。多分、新時代の有志とか、代議士とかいうものは一列一体に太平の世に湧いた蛆虫ぐらいにしか思っていなかったのであろう。一依旧様、権門に媚びず、時世に諛らず、喰えなければ喰えないままで、乞食以下の生活に甘んじ、喰う物が無くなっても人に頭を下げない。妻子を引連れて福岡の城外練兵場へ出て、タンポポの根なぞを掘って来て露命を繋いでいたというのだから驚く。御本人に聞いてみると、
「ナニ、タンポポの根というても別に喰い方というてはない。妻が塩で茹で、持って来よったようじゃが最初の中は香気が高くてナカナカ美味いものじゃよ。新牛蒡のようなものじゃ。