Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
Leggi 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.469 caratteri · 157 schermate
芸者を連れて松囃子に出る事ぐらいにしといて下さい。もっともこれは私共の若い時代の事で、今は若い者が学校に行きますお蔭で皆、賢明になりました故、そげな馬鹿はアトカタも無うなりました。その代り人間が信用悪うなりましたが。
……ヘエ。私がその資格を通ったかと仰言るのですか。これは怪しからん。通ったにも通らぬにも甲の上ダラケの優等生で……ヘエ。
十五になって高等小学校を出ると直ぐに紺飛白の筒ッポを着て、母様の臍繰をば仏壇の引出から掴み出いて、柳町へ走って行きましたが、可愛がられましたなあ。『小か哥兄小か哥兄』ち云うと息の止まる程、花魁に抱き締められましたなあ。ハハハ。帰りがけに真鍮の指環をば一個花魁から貰いましたが、その嬉しさというものは生れて初めてで御座いました。日本一の色男になったつもりで家へ帰っても胸がドキドキして眼の中が熱つうなります。そこで上り框に腰をかけて懐中からその貰うた指環をば出いて、掌の中央へ乗せて、タメツ、スガメツ引っくり返いておりますと、背後からヌキ足さし足、覗いて見た親父が、大きな拳骨で私の頭をゴツウ――ンと一つ啖らわせました。その拍子に大切な指環がどこかへ飛んで行てしまいました。