Classici giapponesi con furigana
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きんがんげいしゃとめいきゅうじけん
近眼芸妓と迷宮事件
夢野 久作
Leggi 近眼芸妓と迷宮事件 (きんがんげいしゃとめいきゅうじけん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.490 caratteri · 23 schermate
落さないように懐手をしながら、帽子も何も冠らないままブラリと表口から出て行ったのを、女房と番頭が見ておった。それっきり昨夜は帰って来なかったが、毎月二十五日の無尽講の計算の日には、そのままどこかへ行ってしまって、帰って来ないのが通例になっていたから、みんな早く寝てしまった。
あくる朝……つまりその二十六日の朝になって、番頭と若い衆が、その日の中に深川の製材所から河岸に着く筈になっている樅板の置場を見に行くと、直ぐに屍体を発見して大騒ぎになった。殺されるような心当りは一つもない……という至極アッサリした話……。
むろんそれから家内中の者を綿密に調べてみたが、怪しい者なんか一人も居ない。女房は締り屋の堅造で、一高の優等生になっている柔順しい一人息子の長男と一緒に、裏二階で十時頃まで小説を読んでいたが、怪しい物音や叫び声なんか一度も聞かなかった。又若い番頭は、店の表二階で焼芋を買って、十時過まで猥談をやっていたので、尚更、何も聞かんという訳でね。みんな今でいう現場不在証明をチャンと持っている。金兵衛は相当ケチケチした親方らしいが、それでも人使いが上手かったのだろう。