Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たいほしゅぎしゃ

退歩主義者

坂口 安吾

Leggi 退歩主義者 (たいほしゅぎしゃ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9703 caratteri · 20 schermate

Aozora Bunko

だから、また、下らなきゃいけない。狸劇団へ身をやつす。退歩主義、必死の思いですよ。たのみます」

「ふざけるない」

「ふざけちゃいないよ。なんでも、やるからね。役者でも、道具方でも、ハヤシ方でも、選り好みはしないよ。あんなもの、ちょッと稽古すりゃ出来るだろう。なんなら、あなたの書生でもいゝよ。メシを食わして寝かしてくれりゃ、なんでも、やらア。この小屋の火の番やろうか。ちゃんとフトン持ってきたから、舞台のマンナカへ寝かしてくれりゃ、なんでもないじゃないか」

「ふうん」

といって品川一平はソッポを向いたが、彼は心眼によって、馬吉の非凡なところを見抜いたのである。よほどのバカでなければ出来ないショーバイというものがあるものだ。然し、バカはメッタにいないものなのである。一平は女房に逃げられて、雑事に不自由していたので、とりあえず下男代りにコキ使うことにした。が、さすがの彼の心眼も、馬吉の胃袋を見破ることができなかったのは是非もない。

★

万事退歩主義ですんでしまえば良かったのだが、ちょッとばかり良い思いをしたのが馬吉の身に悪るかった。

彼は一度役者にでて、すこしだけ、うけたのである。