Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
すきとおるあき
透き徹る秋
宮本 百合子
Leggi 透き徹る秋 (すきとおるあき) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2512 caratteri · 6 schermate
個々の存在に即し、しっかりと地に繋がり、自分も我身体の重み、熱、希望を感じて、始めて、春は私共の生活に入って来るように思う。春の麗らかな日、眼を放てば、私共は先ず、一々に異う木の芽の姿、一々に違う家々の眺めに、興味深く心を牽かれずにはいられないのである。
けれども、今私は、葉脈の太くなり落葉し始めた同じ桐の梢を仰ぎ、何を第一に感じるだろう。
空気だ。遮ぎるものなく、拘泥わるものなく、澄み輝く空気を感じる。
勿論、神経は、そこに未だ沢山の葉が房々と空を画っていることも、幹は太く、暗緑色に眼路に聳えていることも、視ている。然し、心は、その物質を越えて普遍な空気の魅力を直覚する。私は流れる気流とともにある。春のように、個々の樹の根から萌え出るものでないことを思い知らされ、直感する。心を鎮め、自然を凝視すると、あらゆる不透明な物体を徹して、霊魂が漂い行くのを感じずにはいないだろう。それも、春始めの、人間らしく、或は地上のものらしく、憧憬や顫える呼吸をもった游衍ではない。心が、深くセレーンな空気の裡に溶け入りて一体となり、それ自体透明な輝きとなってしまう。