Classici giapponesi con furigana
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とじょう
途上
谷崎 潤一郎
Leggi 途上 (とじょう) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.060 caratteri · 32 schermate
「それからですね、今お話の衝突の危険と云うこともですね、既に衝突その物が非常に偶然な場合なんですから、その範囲内での必然と云ってみたところが、極く極く稀なことじゃないでしょうか。偶然の中の必然と単純な必然とはやはり意味が違いますよ。況んやその必然なるものが、必然怪我をすると云うだけのことで、必然命を取られると云うことにはならないのですからね」
「けれども偶然ひどい衝突があった場合には必然命を取られると云うことは云えましょうな」
「ええ云えるでしょう、ですがそんな論理的遊戯をやったってつまらないじゃありませんか」
「あははは、論理的遊戯ですか、僕はこれが好きだもんですから、ウッカリ図に乗って深入りをし過ぎたんです、イヤ失礼しました。もうじき本題に這入りますよ。―――で、這入る前に、今の論理的遊戯の方を片付けてしまいましょう。あなただって、僕をお笑いなさるけれど実はなかなか論理がお好きのようでもあるし、この方面では或は僕の先輩かも知れないくらいだから、満更興味のないことではなかろうと思うんです。そこで、今の偶然と必然の研究ですな、あれを或る一個の人間の心理と結び付ける時に、ここに新たなる問題が生じる、論理が最早や単純な論理でなくなって来ると云うことに、あなたはお気付きにならないでしょうか」