Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とじょうのはんにん

途上の犯人

浜尾 四郎

Leggi 途上の犯人 (とじょうのはんにん) di 浜尾 四郎 (はまおしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.477 caratteri · 38 schermate

Aozora Bunko

いずれにしても法律家である筈です。そうして、正義という事の為に常に不正と戦うべきことは同じ筈です。その先生が、世を毒するような、あんな探偵小説を書くのは不思議です。先生には一方では社会を正しく導かねばならない勤めがあるのです」

「冗談云っちゃいけない、僕は社会を導くなんてそんな大それた考えをもった事はありませんよ」

「いや、先生自身は自ら社会を指導する気はないかも知れない。しかし正義を奉ずる法律家に、それだけの覚悟がなくてどうするのです? もし先生がそれを考えて居られぬとすれば、先生は法律家たるの資格がない。法律家たる以上、それだけの覚悟がなければならん筈だ」

この語気でも察せられるように、蛇男の勢いは非常に鋭くなり、しかも、その論旨も実を云うと、中々しっかりしたものなのである。

私は、元来、議論にかけては可なりアグレシヴな態度をとる人間なのだが、一つにはこの相手の論理が可なり正しいのと、もう一つには例の妖気が、なんとなく気味が悪いので、巧みにその鋭鋒をさけようと試みた。

「確かにあなたの云われる事は真理です。しかし僕が探偵小説を書く時は、決して法律家として書いて居るのではないのですからね。