Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
とじょうのはんにん
途上の犯人
浜尾 四郎
Leggi 途上の犯人 (とじょうのはんにん) di 浜尾 四郎 (はまおしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.477 caratteri · 38 schermate
昨年の夏、妻は遂に女児を生みました。ひろ子という名をつけて妻は愛し切っています。しかし、私はひろ子が生まれたその時から、その顔を見たその時から、何故か『これは俺の子ではない、あいつの子だ』と感じたのでした。不幸な事です。しかしほんとうの話なのです。近所の人は私に似て居るとお世辞を云っています。けれどどう見たって私の顔に似て居るとは考えられませぬ。私は水原に似ているとははじめ考えませんでしたが、しかし、自分の気のせいか、目のあたりが、私よりも彼に似ているように思われて来ました。
そうして、日がたつにつれて、だんだんと面ざしが彼に似て来るように思われるのです。
私は或る一夜、眠れぬままにいろいろに考え耽りました。敏子は過去の罪を自白した。しかし、これは自分としては許したのだ。許さざるを得なかったのだ。敏子が心を改めている以上、自分は過去を凡て葬り去ってしまわなければならない。この事は今苦しいには違いないけれ共、この心の傷は年が経つにつれて癒えてゆくべきものに相違ない。
しかし、ひろ子は? 若しひろ子が敏子の過去の罪の結果生まれたのだとすれば、ひろ子が生存する限り、自分と敏子とは、憎み合わねばならない。