Classici giapponesi con furigana
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しぜんかいのきょぎ
進化と人生(下)
丘 浅次郎
Leggi 進化と人生(下) (しぜんかいのきょぎ) di 丘 浅次郎 (おかあさじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.568 caratteri · 109 schermate
かかる蟹は静止している間はとうていその蟹なることを識別することはできぬ。壇の浦で有名な平家蟹などは八本ある足の中の四本を用いて、蛤のごとき貝の空殻を背負い、他の四本で匍うている。静止するとあたかも泥の上にただ貝の空殻だけが落ちているごとくに見えて、そこに生きた蟹がいるとは誰も気がつかぬ。コチ、カレイのごとき魚類は身体の色が海底の砂の色と同じく、かつ砂に似た模様があるから、海底に横たわっているとなかなか砂と見分けにくい。小さい魚などが知らずに近づいてくると、急に跳ね出してこれを捕える。かくのごとくに敵の攻撃をのがれるため、もしくは餌を捕えるために身体をかくすことは、人間社会でもすこぶる広く行なわれていることであるが、自身は実際そこにいながら、他をして自身のおらぬごとくに信ぜしめるのであるから、もとよりすべて詐欺の範囲内に属する。
「蟻に似たイナゴ」のキャプション付きの図
蟻に似たイナゴ
なおはなはだしいのは自身は弱者でありながら、容貌を強者に似せて世を渡ろうとする者である。これも昆虫にその例が多い。蜂は剣をもって刺すゆえ、昆虫界では強者であって、たいがいの鳥類はこれを恐れてついばまない。