Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうじょうじ(ひとまくげき)

道成寺(一幕劇)

郡 虎彦

Leggi 道成寺(一幕劇) (どうじょうじ(ひとまくげき)) di 郡 虎彦 (こおりとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.256 caratteri · 30 schermate

Aozora Bunko

た人たちのようにふらふらと家を出て参りました。あとからあとからとひびく鐘の音が、海の潮でも胸にぶつかるように、あちこちへ身をゆり動かすのに運ばれて、夜の更けるのも知らず、村中をどこというあてもなしにさまよい歩いておりましたが、いつのまにか川のところまで来てしまったのでございます。

妙念 (静かに強く)川の中から蛇体が上って来たのか。

依志子 いいえ水の上には銀色に濡れた月の煙が静かによどんで、ずっと下のあたりまできらきら輝いた川波は、寝入ったような深い夜の息をついておりました。私はまだうつつないありさまで、橋からこっちへ歩きつづけておりますと、不意に、露の上を素足で蹈むような怪しい音がきこえて、四辺が蒼白くかすんで来ました、私は思わずふり向いて見ますと、そこへもう、三人の鬼女に分れた悪蛇が、歩いて来るのでございます。

妙念 ええどんな顔をしていた、お前はそれからどうしたのだ。

依志子 そのまま私のそばを見返りもせず走せぬけて、水に沈んで行く魚のようにお山の方へ消えて行ってしまいました。みんな同じ顔なのでございます。三人とも小さな眼に眉毛もなく、川魚の肌のような蒼白い顔色に、口だけがまだ濡れている血のように赤く光って、左の肩から丈にあまる黒髪を地にしいておりました。