Classici giapponesi con furigana
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どうかんやま
道灌山
宮本 百合子
Leggi 道灌山 (どうかんやま) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8015 caratteri · 16 schermate
その父の、母の兄に当る一彰さんというひとも前から勘当されて神田の方に謡曲の師匠をしていた。
龍ちゃんと云われた母の甥は横浜のラシャ屋へ婿に行った。行ってみたらば姑に当る四十こした後家が水色のゆもじを出して立て膝で酒をのみ、毎晩ばくちを打つ。その上、はたできいている子供たちには諒解されないもっといやなことがあって、龍ちゃんがインバネスをきたまま火鉢にまたがるようにして、母に「いくら俺がやくざだってよくもあんな外道の巣へ追いこみやがった」とおこって云っていたことがあった。世話をしたのは、母ではなく親戚のうちの誰かだった。龍ちゃんは、その婿になって行った家から出ようとしていた。「娘だって、何をしているのかしれたもんじゃないさ」とも云った。そういう有様で、祖母はわたしの下の弟を相続人として養子にするという話をもち出していた。きっと、その前後、母はロンドンにいる父に相談するにも遠すぎるいろいろの心持から祖父の墓詣りをしばしばする心もちになっていたのだったろう。
紛糾しつづけている西村の家へ下の弟を養子にやることを母は躊躇しきっていたのに、到頭それを承知してしまった。